セミファイナル －夏の終わり－

９月に入り、徐々に秋の雰囲気が漂って来ていますが
“ａｎｎ”さんのブログによると
まだ、「蝉が鳴き納めとばかりに 大音量で鳴いて」いるそうです。

この季節になると、若き日の小さな過ちを思い出します。

それは

中学３年の冬の事でした。

　　　　　それでは皆さんご一緒に
「夏じゃないのかよっ！」
　　ありがとうございました。m(_ _)m ヒラニーヒラニー

今から約３４年前、中学校卒業が迫って来た私は
「卒業文集で俳句を載せるから、１人１句提出」の課題がこなせずに
少し困っていました。

そもそも俳句と言うか、それらのモノはとても苦手で
きっとＢ型の血が
「そんな型にはまった生き方なんかダメだ！」
とでも言っているに違いないと思っています。

そんな訳で、少年ならば誰でも通る道　『盗作』　にチャレンジしてみる事にしました。


図書室に行って、過去の『中学生俳句コンクール作品集』的な本を見ていると、１つの作品に目が留まりました。

『セミの声　いつしか消えて　日も入りぬ』

「夢中で時間を忘れて遊んでて、ふと気付いたら
　セミが鳴き止んでる・・・。もう夕方だ」って感じの句です。

数年前の優秀作品ですから、さすがに、そのままは使えません。
この作品を私のレベルまで落とさなければなりません。


例えて言うと
年賀状に『いも判』（いもに干支とかの絵を彫った、ハンドメイドのハンコ）に
チャレンジしたけど上手く作れないから、市販のハンコを買って来て
それを彫刻刀で削り『まるでハンドメイドに見せる』加工を施す。
それとよく似ています。

このハイレベルな作品を私のレベルに落とすのに、１番簡単な方法は
エラーをする　事です。
面倒臭がりの私は、前の２ブロックはそのままで、最後のブロックを
「夏も過ぎ」に加工しました。

俳句には季語があり、この句の季語は「セミ」です。
「セミで夏を表してるのに、また最後に「夏」って言っちゃったよ。
　アホやなこいつ・・・・・・。」って絶対、言われるでしょう。

加えて元の句は「１日」の事を言っているのに対し
自分のは「季節の移り変わり」を表現して、オレのが壮大じゃん
くらいに思って、ケッコウ気に入っていました。

意味合いも
「ふと気付くと、知らない間にセミの声を聞かなくなったなぁ・・・
　もう、秋なんだなぁ・・・」って感じです。

じゃあ、いっその事「秋も来ぬ」にしちゃえ・・・そ～したら
「うわっ、アホやなこいつ。セミで夏を表してるのに
　最後に「秋」って言っちゃったよ。季語知らんわ・・・。」って
絶対、言われるわ。　　よし！これにしよっ！

って、それで提出しました。


数ヵ月後、卒業式（近辺）に冊子となった句集が配られました。
早速、自分のクラス・自分のところを見てみました。

そこには
数年前の優秀作品が原作のまま載せてありました。

あ～ぁ、只のドロボウになっちゃった･･･。

では、また。(^0^)/~~　バイバイ