泣け歌

草野球チーム・自営隊“隊長”

2008年12月06日 17:05

日テレ系:火曜夜9:00からのバラエティ番組『誰も知らない♪泣ける歌♪』を見てて思い出しました。
『絶対に採用されない♪一部の人に、泣ける歌♪』があるので、ここで紹介させて頂きます。
(今回の記事は“おーいーなぱぱ”さんの記事『ドラゴンズ日本一』に触発されて書いたモノです)

ちなみにこの歌は、野球を好きな人・・・いや、“中日ドラゴンズ”を大好きな人だけが『♪泣ける歌♪』なのだろうと思います。
興味のない方は、今回スルーって事でお願いします。でら長いし・・・。


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2007年11月1日。
我らが“中日ドラゴンズ”は53年ぶりの『日本一』に輝きました。
それまで、新球団“楽天Gイーグルス”を除けば「1番『日本一』から遠ざかっているチーム」でした。
人気リーグの人気チーム。親会社も大企業で資金力も潤沢なチームが弱い訳ではありません。
10年のレンジでは1番勝ち数が多いかもしれないくらい平均的に強く(2位が多いのですが)10年に1~2回はリーグ優勝するものの、日本一はことごとく逃して来ました。
身内びいきにしても本当に強かった年に日本シリーズで負けると
「何の罰なんだ?」なんて事を本気で思ったりしました。

そして去年、53年ぶりの日本一に輝いたのですが
日本一に王手をかけた試合で『とんでもない事態』に陥りました。
初戦を落とした後3連勝で日本一に王手をかけた“ドラゴンズ”
この年は1・2戦はパ・リーグ優勝チームの本拠地『札幌ドーム』で行い、続く3・4・5戦を『ナゴヤドーム』で行う日程でしたから、この日に決めなければ
地元での胴上げは出来なくなります。

でも、ドラゴンズファンにとってそんな事はどうでも良い事でした。
とにかく日本一になって欲しい。何でもイイ、どこでもイイから日本一になって欲しい。その一心でした。
そしてその日は、その為の条件があらゆる意味で揃っていました。
逆に今年を逃したら「何をどうしたら日本一になれるのか分からない。もうチャンスは無いのかも?」と思えるほどの状態でした。

そんな中、試合は淡々と進みました。
1点を先制し中盤5回を終了すると、ナゴヤドームに異様な空気が漂い始めました。
この日のドラゴンズの先発投手“山井 大介”が1人のランナーも出していない
『完全試合』を進行していたのです。
7回まで来るとさすがにドラゴンズファンの心が揺れ始めました。
「もし、このまま行ったら9回はどうするんや?」

正直、中盤までは日本一以外は眼中にありませんでしたから
「早よ、1本(シングルヒットを)打たれちゃえ」と思ってました。
『被安打2・失点0』で8回までスイスイ行ってくれれば“岩瀬”がいます。
ドラゴンズのゲームプランの基本は
「8回が終わった時点で1点でも勝ってる事」です。
9回1イニングは“岩瀬”が抑える事を大前提にしています。1-0のスコアならなお更です。

ところが野球というスポーツは『個人の記録』も大きな楽しみの1つなんです。
ピッチャーはアマチュア時代を含めて『完全試合』なんか経験が無い場合がほとんどで、それをプロ野球で、しかも日本一を決定するゲームで達成とあれば前代未聞・空前絶後の快挙です。
今後、100年経ってもそんなピッチャーは現れませんし
“ドラゴンズの山井 大介”の名は永久に残る事となります。



   どっちを取ろう?



ドラゴンズは圧倒的優位な状態にいます。
このまま“山井”に投げさせても勝てる可能性は充分あります。
何ならヒット1本打たれた時点で交代させても“岩瀬”なら何とかしてくれるでしょうし、もし同点になっても延長戦で投げられるピッチャーは充実してるから、それからでも勝てる可能性は高いと思われます。
万が一負けても、6戦目にはエース“川上 憲伸”7戦目までもつれても次代のエース“中田 賢一”がいる、連敗する可能性は限りなく に近いんです。



   でも100%ではありません。



“落合”監督が1年目の年、3勝2敗で地元に帰って来てナゴヤドームで
連敗、日本一を逃した経験があります。
万が一、6戦目を何かのアクシデントで“川上”で落とした場合、最終戦の
“中田”は平常心を保てるのでしょうか?

何よりも “勝利の女神”は、それを許してくれるのでしょうか?

『人生は決断の連続』といわれます。
人生の中で、より意味のある・より重要な決断をする時『神様の横やり』
入り、決意を迷わせる事が多々あります。
そしてそれは『神様がその決意の強さを確かめる為の最後のハードル』といわれています。

この状況で『完全試合を続行中の投手』に交代の決断を付けられる監督なんて存在しません。
もし私が監督としてその決断を任されたら、選手全員に土下座をして
“山井”の続投を懇願してから投げさせる事でしょう。
それくらい、一か八かの賭けになってしまう決断である事は間違いないと思いました。


7回が終了した時点で、敵の“ヒルマン”監督はこんな事を言ってたのではないでしょうか?

「ラストイニングにピッチャーが感じるプレッシャーは相当なモノです。
 プレイボールの3アウトとは訳が違います。
 それが1-0のロースコアであればもっとキツイし
 日本一が決まる3アウトだったらどうでしょう?平常心を保てますか?
 その上でパーフェクトゲームがかかっています。
 その状況で100%の力を出せるピッチャーは、この世には存在しま
 せん。パーフェクトゲームが続いてるのに“岩瀬”には替えられません。
 我々に出来る事は1点差のままラストイニングを向かえる事です。」


そして完投能力のあるエース“ダルビッシュ”を勝ちパターンの中抑え投手
“武田(久)”に代えてきました。
“ヒルマン”監督は『人事を尽くして天命を待つ』の心境だったと思います。
それくらい、その日の采配に失敗を見出せませんでした。

そして決断の時が来ました。
その時すでにプロ野球ファンのみならずドラゴンズファンのほとんどが
“山井”の続投を希望していました。

そして、信じられないコールが・・・

「ピッチャー“山井”に代わりまして・・・“岩瀬”」


ドラゴンズファンは非常に複雑な心境でしたが
この瞬間に日本一を確信しました。

この交代劇は、全国に波紋を呼びました。
ドラゴンズファンの中でも賛否両論でした。

そんな中で、緊急発売されたのが
『燃えよドラゴンズ!2007・日本一記念盤』です。




いつもの通り、打順に合わせた選手紹介や投手陣を紹介していく中、
7番の歌詞がスペシャルなモノでした。


「それは静かに 始まった
 日本一への パーフェクト
“山井大介”二十四(にじゅうし)
 アウトを“岩瀬”に 託したぞ
 いいぞがんばれドラゴンズ
 燃えよドラゴンズ!」



この歌詞で、全てのドラゴンズファンが満足・納得した訳ではありません。
ただ“山井”がどんな気持ちでマウンドを降りたのか?
イロイロな想いを全部ひっくるめて“岩瀬”に託したんだ・・・と
それを必死な想いで『パーフェクト・リレー』で日本一を達成してくれた
“岩瀬”の鬼神の頑張りを・・・。

そして、それらの全ては
我々ドラゴンズファンの53年間の想いをチャラにしてくれる為の犠牲や頑張りだった事が、強く伝わって来ました。

その瞬間、涙が止めどなくあふれていました。
ドラゴンズファンだけに許される涙でしょう。

カラオケでは絶対に歌えないですね。

※こんなダラダラ長い文章を最後まで読んで下さった方、心から感謝します。m(._.)m オジギ
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